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SF映画の金字塔「猿の惑星」(1968年)の魅力



2011年に、「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」の公開で再び脚光を浴びた「猿の惑星」。ビデオで過去のシリーズを見直した方も多いと思います。シリーズの原点となったのが、1968年に製作された「猿の惑星」です。人種対立や文明批判を織り交ぜたストーリー、当時の観客が驚愕した衝撃のラストシーンなど、今なお語り継がれる不朽の名作です。

同年には、こちらも名作「2001年宇宙の旅」が公開されていますが、当時は、「猿の惑星」の方を評価する映画ファンが多かったようです。その魅力は、映画の公開から40年以上経った現在でも決して衰えることはありません。



小学生の頃、テレビで最初に「猿の惑星」を見た後、あまりの衝撃に夜眠れなかった事をよく覚えています。
“猿の人間狩り”というショッキングな描写に畏怖しただけでなく、文明を滅ぼしてしまった人間の愚かさに、未来に対する漠然とした不安を感受したからだと思います。

当時、世界はまだ冷戦時代。米ソを中心とする東西両陣営の対立構造の中で、中距離弾道ミサイルの配備合戦やソ連のアフガニスタン侵攻など、人々の間には、いつ起こるか分からない核戦争を憂慮する気持ちが持続していたのです。思い返してみれば、「猿の惑星」を当時の世相と重ね合わせて見ていたのだと思います。

監督のフランクリン・J・シャフナーほか、映画の製作者達が、「猿の惑星」を文明に対する痛烈な風刺として描いた狙いは見事に的中したと言えるでしょう。今では、似たようなオチがつく作品も多くあり、それほどの衝撃はないと思います。当時、観客達が称美したラストシーンに関しても、所詮一度限りの大技と揶揄する声があるのも事実です。しかし、人々に与えたインパクトの絶大さという点では、以降それを上回るウルトラCは生まれていません。

崩壊した人類文明の寓意として登場する自由の女神・・・
あのラストシーンは、映画史に残る屈指の名場面として、これからも後世に語り継がれていく事でしょう。



マイナーだったジャンル映画の認知度を高めた事も「猿の惑星」の功績と言えるでしょう。主人公の宇宙飛行士テイラーを、「十戒」(56)や「ベン・ハー」(59)等の超大作で主演を務めたチャールトン・ヘストンが演じた事。そして、大スターが演じるに値する、深遠だがエンターテインメント性に優れた物語。どれをとっても、ヒットして当然のように思いますが、もう一つ忘れてはならない事があります。

メイクアップ・アーティストのジョン・チェンバースが手掛けた猿の特殊メイクです。軍の医療技師として働いたキャリアを持つチェンバースは、義眼・義肢等の技術を駆使して当時としては最先端のメイクを施しました。その技術は画期的なもので、メイクをしたまま飲食が出来るほど自在に顔の筋肉が動かせ、多彩な表情を生み出す事が可能でした。

生身の俳優と共演しても見劣りしない表情豊かな猿人達の存在が、「猿の惑星」をリアリティに満ちた作品に昇華したと言っても過言ではありません。どれ程優れた脚本と役者が揃っていても、映像に説得力がなければ陳腐なB級映画になっていたかもしれません。特殊メイクは、「猿の惑星」を成功に導いた重要なファクターでした。

作品に登場するセットや衣装、銃器等のディテールも見逃せません。映画は、小説家ピエール・ブールの原作とは異なるやや原始的な趣です。巨大な蟻塚を思わせる都市、猿の種類や階級を表す衣服、近代的なアサルトライフルが出てきたりもしますが、それらは、ベージュやブラウン、グリーンといった野生味溢れる色合いに統一され、自然と調和した猿社会の文化や秩序を体現する独創的な世界観を作り上げています。

ただ、そうなった理由が、原作のイメージを忠実に再現する程の予算が無かったからというのは、災い転じて、若しくは、塞翁が馬って感じですかね・・・。

 (余談ですが、同年公開の「2001年宇宙の旅」もセットや衣装等のデザインが素晴らしいです!)



SF映画の金字塔となった「猿の惑星」は、1973年までに全5作の映画が連作されました。その後、ティム・バートン監督の「PLANET OF THE APES/猿の惑星」(01)。さらに、最新作「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」(11)へと映像化は続き、今も人々を魅了し続けています。

ジェネシスは、猿の惑星第一作に繋がるストーリーとして話題になりました。確かに、劇中至るところに一作目を意識した場面やセリフが見られます。やはり、旧作と見比べるのがベストな楽しみ方だと思います。人類が衰退した経緯に関しては、現代の映画らしい独自の解釈が盛り込まれています。(見てない方はビデオでチェック!)

新たな解釈に対しては、一作目との繋がりを考えると疑問を抱くのですが、旧作をよく見ると、人類の文明が核戦争で滅んだというセリフや説明がない事に気が付きました。あくまで、想像の範疇で分かるでしょという描き方ですね。思わず、ジェネシスって考えて作られているなぁと感心してしまいました。旧シリーズの続編では、コバルト爆弾という最終兵器が登場し、かつての文明崩壊の原因が核戦争だった事をビジュアル的に理解する事ができます。

ジェネシスから猿の惑星までの時間軸には、およそ2千年の開きがあるので、その間に起きた出来事をぜひ映画で見てみたいと思いました。ノスタルジックな名作映画という枠に収まらない普遍的な魅力があるからこそ、「猿の惑星」に対する期待は今後も益々膨らんで行くのです。 フィギュアなどの関連アイテムももっと欲しいなぁ・・・。

文/NOBU (玩具ウォッチャー・ライター)

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